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ニュースリリース

2009/3/17

プレス金型の寿命を格段に高める「低温TiC」が、中国国内でも処理可能に
-技術供与で、トーヨーエイテック独自のコーティング「低温TiC」を海外展開-

トーヨーエイテック株式会社(本社:広島市南区、社長:龍田康登、以下トーヨーエイテック)はプレス加工用金型の寿命を格段に高める独自のコーティング「低温TiC」を技術供与し、中国国内でのサービス展開を図る。既に技術供与先の企業が中国に新会社を設立。今年1月には工場および設備が完成し、このたび本格的にコーティング処理を開始した。

  トーヨーエイテックから技術供与を受けたのは東方貿易株式会社(本社:大阪市北区、社長:郭越悦、以下東方貿易)。中国天津市にコーティング処理を行う天津東方金工表面塗層有限公司(総経理:郭越悦、以下東方金工)を新たに設立し、トーヨーエイテック製の大型PVD(物理的蒸着法)炉の設備と低温TiCを始めとするPVD処理技術を導入した。これにより、東方貿易は中国での新たなビジネスとなるコーティング事業を展開するとともに、低温TiCの中国での拡販を担うことになる。

  東方金工が導入した設備は、トーヨーエイテックが低温TiC用として自社開発したPVD炉である。2008昨年6月に開発した小型PVD炉を基に、処理容量を増やすために炉を大型化したもので、トーヨーエイテックの東京工場に設置した炉と同仕様。PVDの前処理用として下地硬化を行う窒化装置としても使用できるため、窒化から低温TiCを始めとするPVD処理までを1基で処理できるのが特長である。

  東方金工は当面、付帯設備を含めPVD炉1基でコーティング処理を始めるが、事業が軌道に乗れば設備の増強等も検討する。

  中国では自動車産業の発展が著しく、それに伴い金型の生産や使用量も増加している。しかし、中国国内にはコーティング事業を行う企業はまだ少なく、加工条件が厳しい金型は日本を始め海外でコーティング処理をするのが一般的である。とはいえ、自動車の生産量が拡大するのに伴い、使用中の金型についても再度コーティング処理をする必要性が高まっており、中国国内におけるコーティング事業はこれから拡大するものと予想される。

  低温TiCはトーヨーエイテックのPVD拡販の戦略商品として位置づけているコーティングである。2007年4月の発売以来、コーティング処理後の金型の寸法・形状精度が高く、しかも耐摩耗性に優れている点が市場で高く評価され、着実に需要が伸びてきている。今回の技術供与により中国国内で低温TiCの再コーティングが可能となるため、トーヨーエイテックでは、国内市場だけでなく中国へ輸出する金型への拡販にもつながるものと期待している。

◆東方貿易株式会社の概略

・所在地     : 大阪市北区西天満

・設立       : 1990年1月

・資本金     : 5,000万円

・事業内容    : 中国貿易

◆天津東方金工表面塗層有限公司の概略

・所在地     : 中華人民共和国河北省天津市北辰区鉄東路

・設立       : 2007年12月

・資本金     : 250万ドル

・従業員数    : 9名

・事業内容    : コーティング処理および関連製品の開発と販売

◆大型PVD炉の概要

・型式       : トーヨーエイテック製TF-778 (アーク式イオンプレーティング法)

・膜種       : 低温TiC、TiN、TiCNおよび窒化

・最大処理寸法 : φ700mm(直径)×700mm(高さ)