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ニュースリリース

2007/3/26

トーヨーエイテック、表面処理事業の名古屋工場を増設
~PVD炉と窒化炉を増強し、中部地区での旺盛な需要に対応~

 トーヨーエイテック株式会社(本社:広島市南区、社長:山本健一)は、国内に3箇所あるハードコーティングの工場のうち、名古屋工場(愛知県春日井市)を増設し処理能力の増強を図った。本日、新たに設備した炉の火入れ式を行い、本格的な稼動を始める。

 同社の表面処理事業には広島工場(広島市)、名古屋工場(愛知県春日井市)、東京工場(埼玉県深谷市)の3工場があり、ハードコーティングの受託加工のほか、工具・金型などの製造を行っている。中でも名古屋工場は、自動車産業を中心にハードコーティングの需要が高く、処理能力が追いつかない状態にあるため、敷地内に工場を建て増しして炉の増強を図ったもの。稼働率の高いPVD(物理蒸着法)炉の中でも、特にフル稼働に近いアークプラズマ式イオンプレーティング装置を1基追加して2基体制としたほか、同工場では初めてとなる窒化炉も新たに設備した。これにより、PVD炉は3基から4基に増え、同工場での処理能力を大幅に高めることが可能となった。

 トーヨーエイテックでは、今回の工場の増設にあわせて中部地区での営業体制を強化した。従来は中部地区での営業を、中部日本営業所・名古屋(名古屋市)と中部日本営業所・春日井(名古屋工場内)の2拠点で分担していたが、営業マンの担当エリアが一部重複したり、逆に空白地域が発生したりして非効率な面も多々あった。そのため、工場増設とあわせて工場敷地内に事務所棟を新たに建設して中部日本営業所・名古屋の人員・機能を全て春日井に移し、2月19日より中部日本営業所を春日井に集約した(同時に、工作機械事業の中部日本営業所も名古屋から春日井に移転)。これにより、中部地区をきめ細かに営業活動できる体制へと強化した。
 昨年9月には神奈川県(厚木市)に出張所を開設したのに続き、今年2月13日には九州での自動車産業の拡大に対応するため福岡県(朝倉郡筑前町)に九州出張所を開設しており、今回の中部日本営業所の再編も表面処理事業の積極的な展開策のひとつである。

 トーヨーエイテックは、国内トップシェアの内面研削盤を主力商品とする工作機械事業をはじめ、表面処理事業、自動車部品事業の3事業を展開している。市場規模の関係から、表面処理事業は3事業の中では一番規模が小さいものの、同社は1968年に日本で初めてCVD(化学蒸着法)コーティングを導入したメーカーであり、現在ではCVDに加えてPVDも商品ラインアップに加え、数多くのコーティングを揃えている大手のハードコーティングメーカーでもある。また、CVDはPVDに比べて高温で処理するため、コーティングの性能はCVDの方が高いものの、最近では熱変形が少ないPVDが注目されてきており、同社では新しい炉を設備するだけではなく、より商品力の高いコーティングの開発にも力を入れている。