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ニュースリリース

2006/4/25

トーヨーエイテック、大型の立形内面研削盤「T-183C」を開発
~同社では最大となる、内径700mmまでの部品を研削可能な高精度加工機~

 トーヨーエイテック株式会社(本社 広島市南区、山本健一社長)は、立形内面研削盤シリーズに内径700mmまでの部品を加工できる大型内面研削盤「T-183C」を新たに開発し、販売を開始する。

  •   同社の立形内面研削盤シリーズは昨年より順次発売し、既に小型のT-181C(チャックタイプ)と中型のT-182S(センタレスタイプ)を市場導入している。シリーズ第3弾となるT-183Cは同シリーズ最大となるチャックタイプの大型内面研削盤で、同社の横形内面研削盤で加工可能な最大内径610mmと比較しても、より大型部品の加工を実現している。

     T-183Cは、Z軸(テーブル軸)に6面拘束の油静圧ガイドを採用したほか、油静圧スクリュー、油静圧ベアリングを採用。さらに、Z軸とX軸(切り込み軸)には0.1μmのフィードバック制御を行うリニアスケールを、主軸には高精度ベアリングを採用するなど、高精度加工を実現している。また、主軸用には7.5kWのACサーボモーターを、砥石軸には毎分1.5万回転・出力14.6kWと毎分1万回転・出力23kWの2種類の高周波ホイールヘッドをオプションで用意するなど、高能率加工を実現している。

  同機は内面に加え、外径、端面の研削が可能で、研削できる部品の最大寸法は、内径が700mm、外径が750mm、幅が500mmとした。工作機械の主軸ハウジングや建設機械用のシリンダー、鉄道用の大型ベアリングなど、大型部品の高精度加工に適しており、オプションのATC(オートツールチェンジャー)を搭載すれば、ワンチャックのままで全ての面の加工が可能である。さらに、無人運転にも対応できるように、APC(オートパレットチェンジャー)をオプションで用意した。

 トーヨーエイテックは今年2月、国内企業としては初めて内面研削盤の生産累計10,000台を達成するなど、内面研削盤の国内トップメーカーとしての実績を積み重ねている。現在は定評のある横形内面研削盤に加え、立形内面研削盤の開発にも注力しており、今後、より大型の立形内面研削盤の開発を進めるとともに、既存の立形内面研削盤をベースとした新機種の開発を進めるなど、内面研削盤のトップメーカーとして、幅広い商品展開を図る予定である。

T-183Cの主な商品特長

  1. 基本諸元

    据付寸法(間口×奥行×高さ)

    2,900mm×3,100mm×3,900mm

    チャックできる工作物の最大寸法

    750mm(外径)、500mm(幅)

    研削できる工作物の最大内径

    700mm

    テーブルストローク

    630mm

  2. 高精度加工

    ・コラム冷却システムの採用などにより、立形では不利とされる熱変位を抑えた。さらに、テーブル軸であるZ軸には6面拘束の油静圧ガイド、油静圧スクリュー、油静圧ベアリングを採用。摺動抵抗が小さく振動に対する減衰性が高いため、真直度0.5μm/600mm以下の高精度送りを実現した。

    ・Z軸とX軸にはリニアスケールを装備した。フィードバック制御により、0.1μmの精度で位置決めを行うため、高精度な加工が可能となった。

    ・主軸には高精度ベアリングを採用するとともに、主軸の駆動用として高出力の7.5kWのACサーボモーターを装備。重量のある部品でも高精度な加工を実現する。 (標準テストピースでの加工結果:真円度0.3μm、面粗度0.1μmRa)

  3. 高能率加工

    加工性能を決める重要なユニットである砥石軸には、自社開発の高出力・高剛性タイプの高周波ホイールヘッドを装備(オプション)した。毎分1.5万回転・出力14.6kWのHFB015-146型と、毎分1万回転・出力23kWのHFB01-230型の2タイプを用意しており、機械本体の高剛性と相まって、安定して高精度・高能率加工が可能である。

    ・CNC装置として同社独自の高機能・対話型「TOYOMATIC-4000」を搭載。自動研削や多段面連続加工など、多彩な加工をサポートしている。

  4. 工程集約

    加工面を全て1チャックで加工するために、内面、外径、端面、逆端面などの多種の加工プログラムを用意している。従来、複数工程で加工していた工作物を、1回の段取りでの仕上げを可能とした。

    複数の加工面を各々適正な砥石で加工するため、砥石を自動で交換するATC(オートツールチェンジャー)をオプションで用意した。

  5. 自動化

    無人で安定した寸法精度を確保するために、タッチプローブ(接触式測定機)をオプション設定した。荒加工後に仕上げ取りしろを高精度で自動計測し、安定した寸法精度が維持できるため、自動で加工できる。また砥石の衝突防止対応として、工作物の形状確認にも利用可能である。

    パレットを自動で交換するAPC(オートパレットチェンジャー)をオプション設定した。機外で段取りができるため、設備の稼動率が向上する。ATCやタッチプローブと組み合わせで、無人での自動研削も可能となる。