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2005/07/15

日本初、センタレスタイプの立形内面研削盤 「T-182S」を開発
-多種少量生産に適した、コンパクトで高精度な研削盤を発売-


 トーヨーエイテック株式会社(本社 広島市南区、山本健一社長)は、多種少量生産に適した立形内面研削盤「T-182S」を新たに開発し、発売を開始する。T-182Sは2シュー・マグネット方式を採用した、立形では日本初(トーヨーエイテック調べ)となるセンタレスタイプの内面研削盤である。

 機械の間口を横形の半分以下となる1,350mmに抑えたコンパクトなサイズとし、ベアリング用の生産ラインであればライン長を約40%短縮できる。また、搬送・ローダ装置として汎用性の高いコンベアと旋回ローダを用意しており、段取り替えが容易で、多種少量生産に対し高いフレキシビリティを実現した。その上で、機械本体カバーには作業性の良い上昇式ドアを採用するなど、使う人に優しい機械に仕上げている。
  機械の心臓部にあたる砥石軸には、新開発の高周波ホイールヘッドを採用した。内面研削盤で定評のあるホイールヘッドをさらに高出力化(最高出力タイプで連続定格23kW)したもので、さまざまな加工条件でも高精度で安定した加工が可能となる。さらに、2重ベッド構造やコラム冷却システムを採用して熱剛性を高めた他、主軸スイベル機構を採用するなど、高精度・高能率加工を実現した。また、CNC装置として、同社の研削盤で高い評価を得ている高機能・対話型「TOYOMATIC-4000」を搭載している。

立形内面研削盤
T-182S

 トーヨーエイテックは部品の最終仕上げを担う内面研削盤の国内トップメーカーであり、これまでは大量生産に適した横形の内面研削盤を開発・生産してきた。一方で市場の多様化などにより、省スペースで多種少量生産に適した立形内面研削盤の商品化を嘱望されており、その第一弾として中型ベアリングなどの加工に適したセンタレスタイプの立形内面研削盤T-182Sを開発したもの。
  同社では立形として非真円部品の加工に使うプロフィール研削盤を製造しているが、立形内面研削盤については今回が初めての市場導入となる。現在、チャッカータイプの機種も含め小型から大型の立形内面研削盤の開発を進めており、これから順次、市場に導入していく予定である。

【T-182Sの主な商品特長】
 T-182Sは主軸と砥石軸を立軸に配置し、外形240mm、内径220mmまでの円筒形状の部品を加工するセンタレスタイプの立形内面研削盤である。また、コラム位置をオフセットさせれば、外径研削仕様とすることが可能である(同一機械で内面研削と外径研削との仕様切り替えは不可)。

     
  1. 省スペース
    立形レイアウトを採用し、機械本体の間口を1,350mmに抑えた。これは、同等クラスの横形と比較すると、約56%の削減となる。(幅:1,350mm、奥行:2,430mm、高さ:2,700mm)
    搬送装置であるコンベアを含めても、全幅が2 ,350mmの省スペースを実現。テーパーベアリングの内輪加工ラインを想定すると、ライン長を約40%短縮することが可能である。

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  3. 段取り替え・作業性の向上  
    立形の特長として、加工部品の搬送・ローダは水平方向だけで行えるため、汎用性の高 いコンベアと旋回ローダを採用。加工する部品が変更になっても、搬送・ローダ装置の交換部品点数を大幅に削減でき、段取り替えに要する時間や装置のコストを低減した。
    そのため、生産量や生産品目の変動に対し、段取り替えやライン編成替えに容易に対応できる。
    機械本体カバーに開口面積の広い上昇式ドアを採用しており、段取り替えやメンテナンス時の作業性を大幅に向上している。

     
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  5. 高精度・高能率加工
    高出力・高剛性の高周波ホイールヘッドを新たに開発。毎分10,000回転・連続定格23kW、毎分15,000回転・同14.6kW、毎分30,000回転・同22kWの3タイプを用意しており、高出力と高剛性との相乗効果により、優れた加工性能を実現している。
    熱変位対策として、横形で定評のある2重ベッド構造や立形独自のコラム冷却システムを採用した。その結果、熱変位の影響を受けやすい立形でありながら、横形の内面研削盤と同等の加工精度を実現している。
    主軸に±0.25度のスイベル機構を搭載し、テーパ調整用としてストレート穴をより高精度・高能率で加工できるようにした。
    内面研削盤では定評のある、トーヨーエイテック独自の「TAC(Toyo Adaptive Control)研削」技術を立形にも採用。非削時間の短縮や、高精度加工の安定化を実現させている。
     
     
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  7. その他  
    CNCには、独自の制御装置である「TOYOMATIC-4000」を搭載している。
    「TOYOMATIC-4000」は高機能・対話型であり、段取り替え時の操作性を容易にする30種類の加工条件を記憶できる他、多段面連続加工やティーチング機能など、多彩な機能を有している。
          
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